きっとこれは眠れない恋の証明。
「嬉しい。次にあったときにお礼言わなきゃ。それにしても倉掛君って本当可愛いよね、天使って言葉が似合うっていうか」
「可愛い?あー…、まぁ、そうかもしれないな。見た目とかは」
何故かどこか歯切れの悪いような京の返事を不思議に思いながら、私は倉掛君のくれたテディベアにクラちゃんと名前をつけた。
「わぁっ、京すごい!」
程なくしていつもの如く素早く完成された京の料理がテーブルに並べられるのを見て、思わず声を上げた。
スープにパスタにチーズのたっぷり乗ったピザにスライスされた生ハムに…って、あれ?
「ねぇ京。今日いつもより…っていうかかなり豪華じゃない?シャンパンまで用意してあるし」
「安心しろ、これはシャンパンに見えてただのジュースだから。桜、お酒苦手だろ」
そういって席に座る京に合わせるようにして、私も席につく。
グラス、と促されて側に用意してあったグラスを手に取ると、京曰くジュースらしい桃色の炭酸ジュースが注がれた。
私に注いでくれた後、京は自分のグラスにもそれを注ぐ。そして、そのグラスを軽く持ち上げた。