きっとこれは眠れない恋の証明。
それでも、桜が自分の意思で部屋の鍵を開け外に出て会いに行った。もしくは部屋に入れた後に連れていかれた。
その人間は、桜の中で俺の言った"他の人間"にカウントされていなかったのだ。
考えろ考えろ考えろ考えろ。
桜が、まさか犯人だとは鼻から疑わない、夢にも思わない相手──…。
「…まさか」
頭にはっきりと浮かんだただ一人の人物に、自分でも驚きが隠せなかった。
いやまさか。
…でも、辻褄が合わない事はない。
まだわからない。
わからないが、確かめる方法ならある。