きっとこれは眠れない恋の証明。
「…倉掛君。質問に答えて。どうしてこんな事するの?」
そう尋ねると、倉掛君はニコっと恐ろしく爽やかに微笑んで答えた。
「なんでって、あんたが気に食わないからだよ。これはついでなんだけど、黒瀬京も気に入らない。二人の関係が気に食わない。あんたと黒瀬みたいな人間を見てると苛々するんだ。
苛々して気に食わなくて堪らないんだ。
この気持ち、あんたにわかる?いや、わからないだろうね。だから嫌いなんだよ。ねぇ、わかる?」
「………。」
正直、意味がわからなかった。
私の事が気に食わなくて、ついでに京の事も…?
それに、私達の関係…?
ただ、ここでわからないと答えたら、今にもすぐに殺されてしまいそうな静かな圧が確かにあった。
「なんであんたみたいなのが良いんだろ…」
「え…?」
「まぁいいや。黒瀬が来たら、その目の前であんたを殺してやる。安心しな、黒瀬に手はかけないから。黒瀬は、大切な半身を亡くしたままこれからは一人孤独に生きるんだ」