きっとこれは眠れない恋の証明。
砂川さんはああ見えて、女好きで、特定の人をつくらないような、女癖の悪い人なんです。
側にいたら、そんな事はすぐにわかりました。
砂川さんが日々違う女を連れているのを見る度に辛かった。でも、砂川さんが特定の恋人をつくり、ただその人だけを一途に愛するのを見るよりはずっとマシでした。
これは遊びなんだと自分に言い聞かせる事が出来たから。
そして、砂川さんの寝室に仕掛けたカメラで、砂川さんが俺以外の女を抱く様子を見て、想像していました。
あぁ、あの手で触れられたらどんな気持ちになるんだろう。
あの手にさわられて、あの声で名前を呼ばれ、たった今あの人に抱かれているのが俺だったらどんなに。
どんなに幸せな気持ちになるんだろう。
そうやって"想像"して一人で果てるんです。
そんな事をいくらか繰り返して生きていました。