きっとこれは眠れない恋の証明。
芝波桜は、今まで砂川さんが相手をしていた女の人達とはタイプがまるで違いました。
子供っぽいし体も貧相だし。
どうしてこんな女に入れ込むのか訳がわからなかった。
そして、砂川さんが芝波桜を食事に誘い家に連れ込んだ時、確信しました。
砂川さんは芝波桜に本気なのだと。
食事を…したんですよ、あの砂川さんが。
あの人の家で、女と、食事。
いつも食事だという建前で女を家に誘い込み寝室に直行するのに。
あの人の家の執事達はそれを黙って黙認していたのに。
砂川さんの部屋に仕掛けたカメラに映った二人が食事するその様子を、僕は食い入るように見ていました。
女に生まれて、砂川さんに気に入られて、大切にされようとしている芝波桜が許せなかった。
でも、そんな芝波桜の事を、その秘書の黒瀬という男が迎えに来たんです。
芝波桜の事を観察していると、その側にいる黒瀬京という男と芝波桜がお互いを大切に想い合っている事くらいすぐにわかりました。