きっとこれは眠れない恋の証明。
お互いに異性に生まれて、
お互いの性がお互いの恋愛対象で、
何の障害もないのに。手を伸ばせばすぐ届くのに。
それなのに、居心地のいい温度に甘えて何も行動せずただただお互いの側にいてお互いを大切にし合う二人をみるのは、反吐が出るくらいに不快で仕方がなかった。
僕は、どうしたってどうしたってこの孤独な恋を満たす事なんて絶対できないのに。そんな事は生涯あり得ないのに。
それなのにあの二人は、どうして。
そんな疑問は、やがて殺意に変わりました。
お前らに、永遠に満たされない恋に喘ぐ僕の気持ちがわかるか。
可能性のない恋に身を焦がす僕の孤独がわかるか。
臆病になりずっとその場で足踏みして進もうとしないお前達をみているたびに頭が壊れそうになるほど心がかき乱される僕の気持ちがわかるか。
いいやきっとわからない。
だから、二人に罰を与えようと思いました。
半身を奪ってやろうと思った。
永遠に満たされない俺のこの孤独を、二人にも味あわせてやろうと思いました。
そして気がつけばいいと。お互いがお互いの半身であったと気がつけばいいと。
でも、気がついた時にはもう遅いんですよ。
そういう残酷な罰を与えてやろうと思った。
これが、今回の犯行の動機です。
前に自分が襲われたふりをしたのも、自分は犯人ではないと完璧に信じ込ませるための自作自演でした。