きっとこれは眠れない恋の証明。
「…こんな風って何ですか」
病室に、そんな早瀬さんの声が響く。
「黒瀬さんは死んでません。生きています。
必ず目覚めます。だって…私がもし黒瀬さんの立場だったら死んでも死にきれない、絶対に、死んでも目を覚まします。
ねぇ羽水社長、そうじゃないですか?
…だって、こんなに泣いている芝波社長を放ってあの黒瀬さんが眠ったままなんてあり得ない」
「………っ」
早瀬さんの言葉に、頭をガンと殴られたような衝撃を覚えた。
─── 正直に申し上げますと、これから黒瀬さんの意識が戻る望みはないかと思われます。
そんな医師の言葉を、正直に自分は受け入れていたのだという事に気がついた。