きっとこれは眠れない恋の証明。
そんな羽水社長の言葉に頷けず、黙り込む。
こんな事になってから、もう何日も殆どまともに食事をとっていない。
味が、しないのだ。
何を食べても何を飲んでも、
味も匂いもわからない。
「やっぱりね」
京の病室の花瓶に花を生けながら、羽水社長がそう呟く。
「そんなんじゃ、黒瀬さんが目を覚ました時に叱られるんじゃない?」
「……京に?」
そうかもしれない。
京は不規則な生活をタブーとしていたから。
…そうだな、こんなんじゃきっと、叱られちゃうな。