きっとこれは眠れない恋の証明。


好きな人の好きな人だから、放っておけない。


…でも、芝波社長の友達でも何でもない私がここまで芝波社長の事を気にかけてしまうのは、きっとそれだけではないのだろう。

その為に上司であり一番大切な人である筈の羽水社長の側を一時的に離れようとしているのだ。

…壮大な自己矛盾。


それはきっと、
芝波社長に不思議な魅力があるからだ。

芝波社長が困っていたら、泣いていたら、苦しんでいたら、手を差し伸ばして起き上がらせずにはいられないような、そんな魅力が芝波社長にはある。

世に言う、放っておけなくて守りたくなるような女性…というのならそうなのだろう。

芝波社長は何だか不思議な人だ。


好きな人の好きな人。普通なら恋敵に匹敵する筈の芝波社長にこんな感情を抱く私もまた、充分不思議でおかしな人間なのだろう。
< 187 / 233 >

この作品をシェア

pagetop