きっとこれは眠れない恋の証明。


…もし、黒瀬さんが本当にずっとこのままだったら。

私がやった事は、芝波社長に期待や希望を持たせるだけ持たせて、絶望して蹲る時間をただ未来にスライドさせただけのひどく残酷な行為ではないのか。


「わからない。早瀬の言葉が正解か不正解かどっちに転ぶかは、全部黒瀬さん次第だ。…でも、あの時の芝波さんにはきっと早瀬のあの言葉が必要だった」


「………。」


「黒瀬さんを信じよう。俺も早瀬の言葉通りだと思ってるから」


そう言って羽水社長が私の頭に手を伸ばし、髪をクシャッとする。


「それに、黒瀬さんの意識が戻って芝波さんに本調子に戻ってもらわないと、うちの秘書がいつまでも俺の元に帰ってきてくれなそうだからな」


そう言って羽水社長がいたずらに笑う。


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