きっとこれは眠れない恋の証明。
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「おー、結構様になってきたな」
そういって助手席に座っていた羽水社長が褒めてくれる。車の運転席に座っているのは私だ。
羽水社長からの提案で、お互いに休みの合う日はこうして私のペーパードライバー克服の練習に付き合って貰う事になったのだ。
運転も頑張りたいけれど、自動車学校を卒業した今、どうやって練習したらよいのかわからない。
丁度そう悩んでいた時の羽水社長からの提案に、私は神を拝む勢いで飛びついた。
羽水社長の教え方はちょっぴり怖くて厳しいけれど、わかりやすくて的確で、自分でも驚く程はやく運転技術が向上していくのがわかる。
やっぱり羽水社長には、どれだけ感謝しても足りない。
そう思うのと同時に、どうして羽水社長は私にここまでしてくれるんだろうと不思議に思う気持ちもある。
そして、いつの頃からか羽水社長は前みたく私の事を変にからかわなくなった。
何て返したらいいのか焦る事も無くなるから、私としてはそれは有り難い事だと内心で呟いて、また運転に集中する。
「んー、でもやっぱり駐車が苦手です…」
「ははっ、まぁ最初は誰でもそうだよ。少し休憩しようか」
「はい」