きっとこれは眠れない恋の証明。


「…京ってパーティーとか好きだったっけ」

「そういう訳じゃないけど。でも桜も社長になった訳だし、こういうのはいい機会だと思う」

確かに、もうお父さんの元で働いている訳じゃなく、私はプロダクションを引っ張っていく立場にあるのだから、このくらいの事を嫌がっていては社長として成長できないのかもしれない。

こういう事も、仕事の一環だと割り切らなきゃいけないのかなと小さくため息をついた。

「今からドレスでも見に行くか?」

京のそんな提案に、
思わず俯いていた顔を上げた。
確かに今日は今からスケジュールも空いている。

正直ドレスは何着も持っているけれど、沈んだ気持ちをどうにかするためにも新しいパーティードレスを見に行くのもいいかもしれない。

「….うん」

私だって女性だから、新しいドレスを買いに行くとなると自然と気分も上がる。

そうなる事が全部わかってて、京はそんな提案をしたのだろうかなんて思うと、どこまでも京にのせられているようで少し悔しい。

「じゃあいつまでも膨れてるな」

そう言って京は軽く私の頭をポンと叩いた。




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