きっとこれは眠れない恋の証明。

いや、でもよく考えれば7つや8つの歳の差なんて学生時代ならともかく大人になった今は全く大きなものではないし…。

相手を大切に思う気持ちが、いつ恋心に発展してもおかしくない。

それは羽水社長も然りだ。

羽水社長が早瀬ちゃんの事を恋愛対象として見ているのかどうかはよくわからないけれど、少なくとも秘書として…一人の女の子として、きっと大切に思っているという事は確かだ。

それに、早瀬ちゃんを羽水社長の元に返したいと話したあの時の羽水社長の表情を思い返せば。

──もしかしたら、二人の未来は明るいのかもしれない。




「…いいなぁ」


思わず漏れたそんな独り言は、無意識に自分の胸を小さく刺した。





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