きっとこれは眠れない恋の証明。
「京…っ…京…京…!!」
気がつけば、京の名前を叫ぶように泣きながら何度も何度も呼び、京にしがみつくように抱きついていた。
「さ…くら…?」
小さな声でそう京が応える。
あぁいつぶりだろう。
…この大好きな声に名前を呼ばれるのは一体いつぶりだろう。
───待った。私はもう充分待った。
「京の馬鹿ぁ!」
私がまるで子どものように泣きながらそう叫んだ声が、近くを歩いていた看護師をよんだらしい。
「芝波さん?一体どうしたんです…って、あ…あ…え、え? せ、先生!?先生はやく、こっちです!黒瀬さんが、黒瀬さんが…!!」