きっとこれは眠れない恋の証明。
「お帰りなさいませ。あらぁ、可愛らしいお嬢さんですこと」
そう言って迎えてくれたのは、
黒いドレスに白いエプロンをはめた笑顔が素敵な優しそうな女の人だった。
(お、お嬢さん)
「彼女が家政婦の小町さん。小町さん、こちら芝波プロダクションの芝波社長」
そうやって砂川さんが私の事を紹介してくれて、ぺこりと頭を下げる。
すると、小町さんは丸い目をさらに丸くして驚いたように声を上げた。
「まぁ、社長さんでいらっしゃったの。随分若くてお可愛らしいから驚いたわ、まぁまぁ」
「いえ、そんな…」
「さぁさぁ、どうぞこちらに」
そういわれて小町さんに案内された部屋に入る。
部屋の中の大きなテーブルにはすでにたくさんの料理が並べられていて、まるでどこかのレストランの一室のようだった。
どうぞとすすめられた椅子に座り、
向かい合う形になって砂川さんも席につく。
「それでは、
デザートは後でお持ちいたしますね」