きっとこれは眠れない恋の証明。


「お食事中失礼いたします。あの…芝波様の秘書の方がお見えになっているのですが、お通ししてもよろしいでしょうか?」

(ええっ…?)

秘書の方って…京!?

小町さんのそんな言葉に驚いて、思わず声を上げてしまいそうになったのを抑えた。
目の前に座る砂川さんも、驚いたように目を見張っている。

「…驚いたなぁ。いいよ、入って」

そう砂川さんが返すと、小町さんの後に続いて部屋に入ってきたのは固い表情をした京だった。

「突然お邪魔して申し訳ありません。芝波社長をお迎えにあがりました」

そう言って京が小さく頭を下げる。

「さっきぶりだね黒瀬君。彼女の事は俺が家まで送ろうと思っていたんだけど、わざわざ迎えに来てくれたんだね。でも、どうしてここがわかったの?」

そんな砂川さんの疑問に私も激しく同意した。
確かに迎えには絶対俺を呼んでくれとは言われたけれど、迎えに来て欲しいとまだ連絡はしていないし、そもそも場所だって連絡していないのに。
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