きっとこれは眠れない恋の証明。
✳︎
「京、一体どういう事?説明して」
──帰りの京の車の中。
二人きりになったところでそう運転席の京に問い詰める。
どうしてここがわかったのか、早く迎えにきたのか、早朝からの仕事って何なのか…聞きたい事は山積みだ。
「朝からの仕事が入ったっていうのは本当だ。
対談のビジネス雑誌のインタビューだ」
それを聞き、えっと思わず腰のひけたような声を出してしまった私を京が小さく笑った。
「相手は羽水プロダクションの若社長だ。同じ芸能プロダクションの若い社長同士の対談が見たいらしい」
「羽水プロの社長!?」
羽水プロダクションといったら、悔しいが芝波プロダクションよりも上の有名な一流芸能プロダクションだ。
そこの社長さんが若いとはしらなかったけれど…
「先方が了承したらしいから、こっちもその話は受ける事にした」
「えっ、受けちゃったの!?」