きっとこれは眠れない恋の証明。
無理矢理車から引っ張り出され、バランスを崩した体はそのまま京の方に倒れ込む。
ハッとしてすぐに離れたけれど、掴まれた左腕を京は離してくれない。
そして、そのまま京に腕を引かれるようにしてマンションの部屋までの道を進む。
「ちょ…京、痛い…っ」
そう訴えても京は腕を掴む強さを緩めてくれない。
そのままマンションの部屋の前まで連れて行かれ、京が片手で部屋のロックを外した。
ガチャリとドアが開き、二人で部屋に入る。
お互いの片手が繋がれているから、片手だけで靴を脱ぐ。
「ちょっと待って京、
一体何して…って、わっ」
やっと手を離してくれたと胸を撫で下ろしたのも束の間。急に京に抱き抱えられて、訳がわからずただただ目を見開く。
降りようと京の上の中で大きく手足をバタつかせるけれど、京はびくともせずにそのまま私を抱えて歩く。見上げる京の顔はいつも通りの無表情なはずなのに、どこか怖い。
「京、降ろして!」
「あぁ、降ろしてやるよ」