きっとこれは眠れない恋の証明。
proof 3
早朝に入った仕事だと聞いていた対談のインタビュー。早朝の仕事だというから一体何時からだと思ったら、インタビューが始まるのは、朝の10時かららしい。
インタビュー会場に向かうまでの車の中。
隣の京に物申した。
「あのね、京。朝の10時って別に早朝じゃないと思うんだけど…」
「そうか?
お前にとっては早朝かなと思ったんだが」
「……。」
そんな京の皮肉めいた返事に反論したかったが、
ついこの間寝坊して京に起こしてもらったばかりなのであまり強く返す言葉もなかった。
それよりも、これから始まる雑誌の対談に緊張して冷や汗をかいてしまっている自分に焦ってそわそわとしてしまう。
「何だ、まだ緊張してるのか」
京にそう聞かれて素直に肯く。
───立派な事なんて言わなくていいから、相手を立てて謙虚なスタイルで行けばいいい。どうせキャリアだって何だって羽水の社長の方が上なんだから、対等に話せなくって当然だろ。
昨日京がそう言ってくれたから、大丈夫かもと安堵していたけれど、やっぱり緊張するものは緊張する。理屈ではないのだ。