きっとこれは眠れない恋の証明。

「まぁ相手も桜と同じ歳だし、そこまで気張らなくて大丈夫だと思うぞ」

「えっ、同じ歳なの?」

「あぁ。言ってなかったか?」

「うん」

言ってない。同じ歳なんて絶対インタビュアーさんに取り上げられるに決まってる。比べられる。
まぁ同じ条件の揃ったもの同士を比べるのが今回のインタビューの趣旨なんだろうけど…。


そんな不安を募らせながら、インタビュー会場であるホテルの一室に着いた。


✳︎



私達が部屋に入り、しばらくしてから羽水社長も到着したらしいと記者の方が教えてくれた。

緊張で背筋を伸ばすのと同時にドアが開き、
羽水社長と思われる方と、その後ろに続いてスーツを着た男の人の人と、綺麗な黒髪の女の人が入室し、私は急いで座っていた椅子から立ち上がった。

「遅くなってすみません、羽水です」

「芝波桜です。今日はよろしくお願いします」

にこっと綺麗に微笑んで私に手を差し伸べてくれた羽水さんに握手を返しながら思わず見上げた。
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