きっとこれは眠れない恋の証明。
「じゃあ、俺から。第一印象は、って質問なんですけど…実は俺、芝波社長とお会いするのは今日が初めてじゃないんですよ」
(……へ?)
そんな羽水社長の言葉に、驚いて思わず俯き気味だった顔を上げる。
私よりもさきに、インタビュアーのお姉さんが質問を投げた。
「ええっ、お二人は今日が初対面じゃなかったんですか?どこかで接点が?」
「あー、まぁ俺が一方的に覚えてるだけかもしれないんですけどね。小学校の時の同級生なんです、俺達。一緒のクラスだった事もあって」
(え、嘘!)
羽水社長の発言に目を丸くする。
小学校の同級生…私と、羽水社長が?
頑張って記憶を辿るけれど、どうしよう、全く思い出せない。というか羽水社長くらい目立つ人の事なら、いくら小学校時代だとはいえそんなに簡単に忘れてしまうだろうか。