きっとこれは眠れない恋の証明。
「思い入れのある、というと?」
そんな質問に、羽水社長が野暮な事聞きますねと言って小さく笑う。
「同時友達もいなくていじめられっ子だった僕に唯一優しくしてくれた女の子でしたからね。
好きでしたよ、多分初恋でした」
「………!?」
羽水社長の衝撃発言に、カァッと一気に耳まで赤くなった。
思い出の中の翔君と目の前の羽水社長が同一人物というだけで精一杯驚いているのに、その上初恋だなんだと情報を重ねられて頭がパンクしそうになる。
「まぁ、そうだったんですね、素敵!芝波さんは当時その想いに気がつかれていました?」
「いや、
そんなまさか…全然わからなかったです」
「僕も幼いながらに絶対気づかれないようにしようって頑張ってたし、
結構諦めてたので当然です」
そんな羽水社長の言葉に、そうだったんですねと誤魔化すように笑って返す。正直どんな言葉を返したらいいのかわからない。