きっとこれは眠れない恋の証明。
いくら羽水社長が、小学生の時友達だったあの翔だったとしても、今の羽水社長はあの頃の翔君じゃない。
だからそれは難しいですと断ろうとした時、羽水社長の秘書さんらしき女の人が、焦っている様子で羽水社長に話しかけた。羽水社長が渋々といった様子でわかったと頷いて返す。
「これから仕事があるから、
今日はこれで失礼します。芝波さん、次会う時は絶対敬語禁止だから」
「はい…って、ええっ」
「じゃあね」
そう爽やかに笑って羽水社長達は部屋から出て行ってしまった。
(次があるのか…)
そう心の中で呟くと、
京からお疲れ様と声をかけられた。その声に、今まで背負っていた緊張が一気に解ける。
「対談なのに、私全然話せなかった…」
そう弱音を吐いた私の頭の上に、優しく京の右手が乗った。
「話の内容的に積極的に色々話すのは難しかっただろうし、俺は良かったと思うぞ」