きっとこれは眠れない恋の証明。
京は砂川さんには気をつけろと言われているけれど、砂川さんがすごい人だという事には変わりない。
私も頑張らないとと心の中で拳を握りつつ、コーヒーを飲もうと棚に入っていたインスタントコーヒーの瓶を取り出す。
そして、コーヒーを入れようと思ったのに、瓶に残ったインスタントコーヒーの粉は残り僅かだという事に気がついた。
朝食用の食パンも今焼いているこれで最後だし、コーヒーの粉も無くなりそうだ。
(よし、せっかくの休みだし、買い物にでも行こうかな)
いつも買い物は仕事帰りに京の車で寄りたいお店に連れいって貰って、一緒に買い物に付き合ってもらって…という感じだ。
たまには京に頼らず、一人で買い物くらいやらなきゃなと思い立ち、朝食を食べ終えてから出かける支度を始めた。
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お散歩日和と言わんばかりの快晴。
春なのに少しだけ暑いなぁと心の中でぼやきつつ、いつも京と行くスーパーまでの道のりを徒歩で辿る。