きっとこれは眠れない恋の証明。
───そうやって泣きそうになりながら黙る私を庇ってくれたのは、京ではなく。
「私のお姉ちゃんに何の用ですか?」
(……!?)
いきなり誰かに後ろから腕を捕まれそのままグッと引かれたかと思った瞬間、そんな言葉を耳にして驚いて目を見開いた。
男二人も驚いたような顔をしていたが、きっと一番驚いているのは私な筈だ。
なぜなら、私には妹はいない。
びっくりして振り向くと、私を庇う様に腕を掴んで立っていたのは、セミロングの黒髪をした綺麗な女の子だった。肌は陶器のように白くて、目を引くような美少女。
(すっごく可愛い…けど、誰!?)
テンパりつつも、
きっと私の事を助けにきてくれた親切な女の子なんだと納得してやっと落ち着く。
…でもこの女の子、どこか見覚えがある。