きっとこれは眠れない恋の証明。

「とりあえず手、放してもらえます?
それと、二人とも誰?」

爽やかな笑みを浮かべているはずなのに、今の羽水社長には何故かものすごい迫力と恐ろしさがあった。男も怯んだのか、さっきまであれだけ力強そうに掴んでいた手をすぐに離した。

「だ、誰だ、お前、こいつらの兄貴かよ」

「え?」

そんな質問に羽水社長が少しだけポカンとしている中、二人は顔をしかめながらその場から逃げるように小走りで去っていった。








「あ、あの、ありがとうございました…っ」

「いえ、そんな…」

二人が去っていってから、助けてくれた二人に深々と頭を下げた。そして羽水社長の登場により、女の子の事をどこかで見覚えのあると思ったそのどこかをはっきりと思い出した。
前の対談の時に見た、羽水社長さんの秘書らしき綺麗な女の人だ。
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