二度目の結婚は、溺愛から始まる
「おまえは、いつもしゃべりすぎなくせに……泣く時だけは、静かだな」
わたしをソファーまで連れて行き、膝の上に載せて、あやすように背を擦る。
「プロポーズでからかうなんて……ひどい……」
大人の女なら、「いかにも」なプロポーズより、「さりげない」プロポーズを粋に感じるのだろうけれど、わたしはちゃんと言ってほしかった。
薔薇の花束もダイヤモンドの指輪もほしくない。
大事なひと言が欲しかった。
「悪かった」
蓮は、泣きながら睨むわたしにキスをして、先ほど口にした言葉を少しだけ訂正した。
「好きじゃないが…………愛している」