二度目の結婚は、溺愛から始まる
幸せのおすそわけ
日差しはやや強いけれど、吹く風は爽やか。
雲一つない晴れ渡った空を見上げ、眩しさに目を細める。
ガーデンウエディングに相応しい好天だ。
今日は、蒼と紅さんの結婚式。
白崎邸の庭は、わたしが頭の中で思い描いたとおりの姿に変身した。
(晴れてよかった……)
昨日の会場設営時に小雨が降り出し、芝生をビニールシートで覆ったり、細々したセッティングを今朝に持ち越したりと、かなりバタバタしてしまった。
が、何とか開場一時間前に完成。
それもこれも、半ゲスト、半手伝い要員である蒼の友人たちのおかげだ。
今回、自宅で結婚式&パーティーを開くことにした蒼は、招待したありとあらゆる業界の友人に、「ご祝儀はいらない。その代わり得意なことで手伝って!」と頼んでいた。
彼らは、緑川くんが昨日送信した「緊急事態発生! 明日の朝、蒼の家に集合!」のメッセージを見て、駆けつけてくれたのだ。
設営を依頼した業者と一緒になって、ワイワイと楽しく作業をこなし、ひと仕事終えた彼らはいま、ドリンクバーから勝手にシャンパンをボトルごと拝借して、乾杯を待たずに酔っ払っている。