二度目の結婚は、溺愛から始まる
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蓮のナビで無事駅に辿り着いたわたしたちは、そこからタクシーでマンションへ帰り着いた。
渋滞に捕まることもなく、ほんの二十分程度で到着。
いつもの習慣らしく、蓮がエントランスのポストから郵便物を取り出した拍子に、一枚のはがきが舞い落ちた。
「蓮、落ちたわよ?」
ちょうどわたしの足元に落ちたはがきを拾い上げようとして、手が止まった。
(え……?)
写真入りのはがきには、見覚えのある小学生くらいの女の子と美しい女性の姿があった。
読んではいけないと思いながらも、目は余白に書かれた文面を勝手に追う。
『来月、誕生日会をします。いつもプレゼントを貰ってばかりで、お礼を言えないのが心苦しいです。話したいことも山ほどあります。お越しいただければ幸いです。 橘 百合香』
「椿?」
「これ……」
慌てて拾い上げ、振り返った蓮に宛先だけが書かれた表面を上にして、差し出す。
蓮は、素早くはがきを裏返して確認したものの、何も言わず無造作にほかの郵便物とひとまとめにした。