twilight sinfonia
チラリとスマホを覗くと、1番上に瀬那からのメッセージの通知。
あ、本当に届いてる。


「放っていくわけねーだろ」


ドキリと、胸が高鳴る音が聞こえる。
くそぅ、下手にイケメンだからそういうこと言われるとときめいてしまう。
なんかこういうのは好きじゃ無いぞ、遊ばれてる気がして。


キャップをかぶって立ち上がり歩き出す瀬那の後ろをついていく。


「瑠南、なんか食いたいのは?」
「んー、ラーメン」
「へいよ」


瀬那の隣に並んで、少しヒールのある靴を鳴らす。
中学の頃10センチ近く伸びてもう170センチを超えた割にはまだ伸びたらないのか、少しずつ顔の距離が離れてる気がする。
それとも私が縮んでるのか?


私たちが行き慣れたラーメン屋で、個室に通してもらいキャップを脱ぐ。


「今日、喉の調子どうなの」


席に座って注文を終えて早々、私が振った話題はそんなことだった。
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