twilight sinfonia
その間、琉星も部屋から出ることはなくて。
ヘッドホンを外すと、「トゥットゥル……トゥルールトゥ……ララルララリラ……」なんてぶつぶつ呟いてた。


ぱちっと目が合う。


「終わった?」
「とりあえずメロディの軸作った」
「そっか、あのさ」
「ん?」
「前から話そうと思ってた相談があるんだけど」


琉星はマウスをカチカチと動かした後、俺をじっと見つめた。
真剣な話らしい。


「今7月でしょ?」
「うん」
「普段だったらこのタイミングで9月の曲がほとんど形になってなきゃいけないんだよ。落とし作業、とかさ」
「……あぁそうだな」


「俺ら今何してる?8月の曲作ってるよ。
……でさ。作ろ?俺と瀬那で」
「あー……まじか」
「うん、今月会議する時間ないだろうし……。
瑠南も快斗も作業量多すぎて明らかに寝不足だし、深優も快斗の補佐するので結構精神来てるじゃん?」


だから、さ。とにっこり笑う爽やかな美青年。
俺たちのボス、圧力は人一倍。
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