twilight sinfonia
俺はここに来てようやくスマホの画面を見た。
時間は2時半。そりゃ瑠南も帰ってくるし、俺もこんなに疲れてるわけだ。


……それにしても。
疲れ切ってる俺にする仕打ちではない気がするんだけど。帰ってきて早々に、男の名前出すとか、まあまあやなことされてる。
いいけど別に、彼氏じゃないし、何も文句言えないし。


瑠南のSNSには輝星とのツーショットが上がっていて、嬉しそうに笑う瑠南が輝星の隣に並んでいる。


「次の仕事は決まってんの?」
「……へ?」
「輝星との、次の仕事。どーせまた撮影とかあんだろ?」
「えっと……明日って言ってたかな?」
「そ」


付き合ってたときに、こんなに嫉妬深かった記憶はない。
別れてから俺が嫉妬深くなったのか、それとも付き合っていた当時の瑠南が今より俺にちゃんと気を遣ってくれていたのか。
……多分、明らかに後者だと思う。
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