twilight sinfonia
タブレットをつなげる。タブレットからデータを移して、パソコンに入れると、そのまま事務所にファイルを添付してメールを送った。


タブレットからでもいいんだけど、パソコンの方が画質良いまま送れるから。


「……衣装できた?」


青いヘッドホンを外した瀬那がこちらを向いていた。
メガネを直して、瀬那を見返す。


「まぁ。わりといいのできたよ」
「ふーん」


瀬那は私のタブレットを覗き込んで、衣装案を見る。


「へぇ。いつもと違うじゃん」
「曲調がいつもと違うからね。2人のイメージがちゃんと出るやつにしよと思って」


5人分のデザインは、やっぱり少しずつ違うし、難しい。軸は変えずにちょっとずつ個人の“らしさ”を出すのは骨が折れる作業だったらする。


「いいじゃん。深優の衣装好きだわ」


深優のは白ベースだから、ラインはグレーの地味な感じだけど、その分、スカートの一部分にグレーのタータンチェック柄の入ったプリーツを入れた。
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