twilight sinfonia

《19》

「最近、あすかとどーなの？」
「んー？可愛いよー？毎日可愛い。
こないだなんか寂しいからって俺の家でなんでもない日なのにチーズケーキ量産してたからねー。
ほんと可愛いわー」


1聞いたら10返してくる惚気野郎の彼は、紗成(さなり)くん。勝手にさなちゃんとか、なーくんって呼んでる。……2つ上なんだけどね？


さなちゃん、優しいから。


「順調そうで何よりだよ。
お別れ騒動は周りの方がしんどいから」


午後1時。シェアハウスの1階、会議室。
アコースティックギターを持ったさなちゃんと、私の2人。
一応、私も傍にはギター。黒にショッキングピンクのデザインが入ったエレキギター。


私たちは2人で『はにーとーすと』なんて甘ったるそうな名前のユニットを組んでいる。
さなちゃんのギター1本で歌って、たまに私もギター弾くけどあんま上手じゃないから、そういう……ちょっと、いつもさなちゃんに頑張ってもらってる。