twilight sinfonia
瀬那なんか少なくとも、溜まってんじゃね?
触れたいのに触れられない。今までは自分のものだったはずの瑠南はそうじゃなくなって、自分の近くからいなくなる焦り、とか。


諸々、俺はお前らが、1番いいパフォーマンスしてるとは、思えねーなぁ」


独り言みたいに呟いて。
ふっと立ち上がる。


私が言葉を発しようとしたときにはもう、練習再開のスイッチがオンになっていて……下手に何かを言うのは許されなさそうだった。


でも。
瀬那から私のことを捨てたわけで。
……全然、後悔とか無いと思う。
だって多分、瀬那は瀬那なりの考えがあったわけでしょ?
それで待っててよ、って言ってくれてるわけだから、何か、しようとしてることくらいはわかるよ。


そんな疑問と認識の半数を繰り返しながら数時間の練習を終えた。


6時半、ようやくさなちゃんが帰ってくる頃にはもうほとんど寝ていた。
朝から仕事なとこもあって、ソファに横になったら、みるみるうちに意識が遠くなった。
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