twilight sinfonia
俺はカーディガンを脱いで瑠南の背中にかける。


「下着。……傘ぐらい、さしてきなよ」
「へ……あっ、え……恥ずかしい」


いやいや、こっちの方が恥ずかしいって。
思春期に、そんなの見せられて、平常心でいられるわけない。


心臓の音が、異様に跳ねているのが聞こえる。


「それ、着な?
また、返してくれたらいいから」
「えっ、ええっ、でもっ」
「いいから。見せられたら……恥ずかしいんだって」


思わず、瑠南から目を離したのは今でも覚えている。


「顔、赤……」
「うるさい」
「あ、ありがと、また返しに行くね。
その時また、話しするから」
「もう、いい。そんなことする必要ないから」
「……え、でも」
「わかってる。わかったから、もういいって言ってるんだよ」
「……それは、期待しちゃっていい感じですか?」


「そうだね。期待していいよ」


我ながら、不純すぎる動機だったな。こいつらと一緒にいるって決めたの。
瑠南のこと、落としてやろうと思ったから、なんて。
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