twilight sinfonia
「は?今?」
「文句言わないでね?私に頼んだ瀬那が悪いよ」
「絶対ダメ」


また匂わせになるから、と何のはずみもつけないで腹筋だけで起き上がってくる瀬那。
私の手からスマホを抜き取ろうと手を伸ばす。
一応抵抗してみたけど、普通に取り返された。
というか何ならバランス崩して後ろに仰反る。


「おい、体幹あるんじゃねーの?」


瀬那は私の背中に手を回して、私が倒れていくのを阻止する。


……というか、近い。


瀬那の意識はスマホに行っていて、私と距離が近いことにまだ気づいてない。
それどころか、昔の癖か脇腹揉みしだかれてる。
……くすぐったい。


「あ、あの、瀬那さん……?くすぐったい、です」
「……あ、ごめん」


焦ったように手を離す瀬那は、流石に何の悪びれもなく、というふうにもいかなかったのか顔が赤い。
それをみた私も顔が熱くなる。
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