twilight sinfonia
付き合ってる間の瀬那と言ったら、略奪愛好きの先輩方と不節操な女たちに狙われ倒して、挙げ句、お誘いの電話とかLINEとか、もう煩わしいくらいだった。


そんなの心配になるに決まってるじゃんね。
毎日毎日全部ブロックする私の気持ちにもなってほしかったものだ。


列がゆっくり進む。こんな会話をガッツリファンの子が聞いてたりすると思うと恥ずかしいけど。


しかも手は繋いだまま、匂わせ感ハンパない。


「お腹空いてきた」
「さっきジュース飲んでたじゃん」
「え、瀬那はお腹空いてないの?」
「いや、空いてるけどさ」
「でしょー?お化け屋敷出たら何か食べ行こーよ」


とは言っても行くところはスタッフさん側から指定があったりなかったり。新作のカフェメニューがあるお店をお知らせされてるからそこに行くんだけど。


で、お化け屋敷でもしっかりダウンした瀬那を連れてカフェに向かう。


「……瀬那、大丈夫?」
「俺なんか、情けなくね?」
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