twilight sinfonia
こっちを向く様子はない。
けど、真面目なのはわかる。


「……何とも自由なご発想で」
「残念だけど、勝手だから俺。
瑠南のことフったのも、仕事に集中できなくなるって思ったからフったし」
「あぁ……そうだったんだ」
「別に、仕事がどうでもよくなったとかじゃなくて。……瑠南が隣にいたらもっと頑張れる気がするって、いうか……」


どんどん声が小さくなっていって、しまいには無言が訪れる。


「……どう?」
「うん」
「ん?」
「私も、瀬那が隣にいてくれた方が安心する」
「なに?それはイエスってことでいいの?」
「そうだね〜」
「……軽」


びっくりするくらい、ドキドキしてる。
でもそれ以上に嬉しくて。
たった1年弱のお別れ期間だったけど、どこか足りなくて、ずっと寂しくて。
……どうしよう、ほんと嬉しい。


「なすちゃん、今なら目瞑ってくれる?」
「えー……しゃーないなー。ちょっと一回コンビニに止めるから待って」
「へーい」
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