twilight sinfonia
それから軽く検閲を終えて、別に他に目立った女もいなくて(人並み程度に嫌いな人はたくさんいたけど)、私は瀬那にスマホを返して、ギュッと抱きついた。


「気はお済みで?」
「なんで瀬那はイケメンなの?」
「は?何急に」
「なんでモテるの?」
「ヤキモチ妬かなくたって大丈夫だって。
モテるって言ったらお前だって一緒だしな」


男の連絡先なんちゅう量になってんだよ、とさっきの一瞬でちゃんと見てたらしい発言。


「大丈夫、瑠南だけだから」
「……知ってるもん」


私は目を瞑って、瀬那の胸に頭を押し付ける。


「早々に病んだな」


苦々しく笑う声が頭の上から降ってきて、思わず顔をあげる。


「……イヤ?」
「別に嫌じゃねぇよ?瑠南が辛いのは嫌だけど」


瀬那は優しく笑って、ギュッと抱きしめてくれて。
安心させようとしてくれるのがよくわかる。


「他の女の子とか、見ないでね」
「見ない」
「うん」
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