twilight sinfonia
……俺の手の中で震えるスマホ。



『今週どこか空いてるタイミングってありますか?
ゆっくりお話ししてみたいです』


おまけにかわいいスタンプまでつけてきて、少したじろぐ。


俺の頭の中は今フル稼働している。
あとで瑠南に見せて瑠南が落ち込まない程度の返信頻度、且つ返信内容で、向こうが不信感を抱かず舞い上がりもせず、仕事に支障が出ない程度の雑なタイミングと言葉を足りない語彙力で探す。


……そんなのない。


俺はスマホを放置して、連絡を見なかったことにする。
あとでいいや。


「最近ずっとケンカしてんね」


俺の隣に座る琉星がスマホでスケジュールの確認をしながら、ボソッと呟く。


「だな」
「そっちはどう?」
「別に」
「メンヘラ発動してる?」
「まあまあ。妬いてるみたいだけど、仕事関係ばっかで怒ろうにも怒りづらいっぽい」
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