twilight sinfonia
べったりくっついてくる瑠南を抱き寄せて、スマホを上に持ち上げて返信を続けた。


「んー」


ポイント1、とりあえず濁せ。


「瀬那ー?」
「何」
「見せて」
「ちょっと待って」


ポイント2、まずは抵抗。
で、スマホを渡すときは、何気ない顔をして画面を切る。


瑠南はすごく不機嫌な顔で俺からスマホを受け取ると迷わずLINEを開く。
スクロールなんかしなくとも1番上にいる澪とのLINE。


「……みおって、誰?」
「ん?」
「仲良さそうだね、女の子?
中2の時にコクってきたあの子?」


……なぁ、なんでそんな細かいことまで覚えてんの?
俺の方が忘れてたんだけど。


「……そう」


ポイント3、無意味に匂わせる。
既に面白くなさそうな顔をしている瑠南。
瑠南は澪との会話を遡って、俺を見上げる。
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