twilight sinfonia
時代の流れを感じずにはいられない。


「ふふっ、元気ねぇ。ご飯食べよっか〜」


ダイニングテーブルに夕ご飯を並べながら私たちを嬉しそうに眺めるお母さん。


私たちの夢を全力で応援してくれるお母さんは、本当に心が広い。
中3でオーディション受けるって言ったときも、「あっ、いいじゃない?そっかぁ、瑠南ももう自立するのね〜」なんて、ふわふわした返事をされてしまった。
いや、本当に、この親はすごい。


「私も手伝うよ」
「あら、そう?」
「僕もっ」


……弟はとにかく可愛い。


と、ソファを立ち上がったところでスマホが鳴った。


「あら、電話?瀬那くん?」


スマホの画面を見て名前を確認する。


『瀬那』


「あ、うん。ちょっと出てくるね」
「うん、あんまり長話しないようにね〜」


私はリビングを出て、玄関で通話ボタンをタップする。


「もしもし?」
「あ、ごめん。飯食ってた?」
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