twilight sinfonia
ご執心なのは向こうの方、って?
意味わかんねーんだけど。
あいつはあいつでこの前熱愛報道あったところのくせにさ。
今深優のこと好きとか、あり得なくね?


「深優」
「んー?」


俺は深優の隣の椅子に座って、三角座りをする深優の顔を無理やりこっちに向けさせる。


「ちょっ、んっ」


深優は誰とも付き合ってないんだし、浮気になんてならないよ。
蒔唯が婚約者だろうと、バレなきゃ浮気なんて、言えないでしょ?
だから今くらい、俺のことだけ見てさ。
蒔唯のことなんて忘れて。


……本能だけで俺を求めてくれたらいいんだよ。


突然のことにも頑張って答えようとする深優が愛おしくてたまらない。
深優の近くに蔓延る男にただ今は、妬みしか感じない。


「ちょ、っ、快斗?」
「何?」
「息続かない、から」


涙目で俺を止める深優。
冷めた顔をしているであろう俺を煽ってくる。
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