twilight sinfonia
瀬那のスマホから涙声のごめんなさいの横行が聞こえてくる。


「はぁ……もういい。夜までには帰ってきて作業。
切りつくまで帰さない。
配信却下。俺がSNSで言っとくから。再共有でもなんでもして謝っとけよ」


ようやく電話が終わった様子。
車の中のちょっとピリついた雰囲気から解放される。


「今度からチェキ会とか絶対行かせねぇ」


イラッとしているらしいけど、残念ながら瀬那は瑠南に甘いから次もどうせ行かせる。
で「次は絶対行かせない」って同じこと言う。
知ってるよ俺。
と言うか俺だけじゃなくてtwilightもだし、古参のファンならみんな知ってるよ。


「許してあげなよ〜。瑠南なりのストレス発散でしょ?」
「……わかってるから行かせてんだって」


はぁとため息をついて、スマホでカチカチと打ち始めた。
しばらくして、俺のスマホが震えた。
SNSの通知。
明らかに後ろのやつからだ。
< 83 / 393 >

この作品をシェア

pagetop