twilight sinfonia
モゾリと起き上がった瑠南は俺の中学の時のジャージ。
昨日帰ってきてすぐに着替えたやつ。


ボッサボサの髪。
切り揃ってるはずの前髪は8割行方不明。
寝癖で何束か髪の毛浮いてるし。
というか顔面オワコン。


「……せ、な」
「ん?」
「なんも、見えない……」
「コンタクトの替え持ってる?」
「鞄の中に……カラコンならある」
「風呂入ってからにしときな。今びびるくらい顔面死んでる」
「んんん……お風呂まで連れてって」


抱き枕を抱きしめたまま俺に左手を伸ばしてくる瑠南。


……甘え上手なのなんなん?ほんと。
俺がちょろいだけなのかな、本気で。


抱き枕を払い除けて瑠南を抱き上げると、風呂のある一階まで向かう。
軽い。
バカ軽い。
160センチないけど体重も40キロ中盤っていう軽く栄養失調みたいな感じだから。筋肉はあんのにね。比重どうなってんだってな。
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