メヌエット ~絵里加
33
朝の光の中 健吾の腕に抱かれて 目を覚ました絵里加。
昨夜の甘い余韻が肌に残り 恥ずかしさに頬を染めてしまう。
初めての怖さは 健吾がゆっくり取り除いてくれた。
丁寧に、優しく。
絵里加が開くまで時間をかけて 待ってくれたから。
そして、一つになる前と後では、愛しさが違うことを知る。
健吾が、自分の一部のように、愛しい。
「絵里加、起きていたの。」
そっと健吾の胸に触れる絵里加に、健吾も目を覚ます。
「ううん。今、起きたの。」
絵里加は優しい笑顔で言う。
「よく眠れた?」
健吾が聞くと、絵里加は軽く頷く。
素直な笑顔が可愛くて。
健吾は、唇を合わせてしまう。