メヌエット ~絵里加
裕介の家の別荘は 海水浴場近くのリゾートマンション。
メゾネットタイプの広い間取りは みんなで泊まったら賑やかで 楽しそう。
今回は、海の家代わりに 着替えとシャワーに使わせてもらう。
「わあ。絵里加、焼けているね。」
水着に着替えた絵里加に、亜弥が言う。
「しかも、脚が長い。絵里加と離れて歩こう。」
陽子の言葉に、みんなが頷く。
「ちょっと、ひどいよ。」
と追いかける絵里加に、
「絵里加はケンケンと、ゆっくりおいで。」
とひとみが手を振る。
“もう” と言いながら絵里加は、みんなの気使いが嬉しい。
「絵里加、やっぱり可愛い。」
みんなに遅れて歩きながら、健吾は絵里加の肩を抱く。
「グアム、思い出しちゃう。」
健吾を見上げて言う絵里加に
「あー。それ言ったら駄目でしょう。せっかく我慢しているのに。」
健吾は空を仰ぐ。
「でも、来週は、一緒に居られるからね。」
「それも言う?俺、海に入らないとヤバいよ。」
健吾の健康な反応に、二人で声を上げて笑う。