メヌエット ~絵里加
「最近 絵里加、また可愛くなったよね。」
敏感に察したのは、ひとみ。
「やだ。変わらないよ。」
絵里加は、頬を染めて俯いてしまう。
あの日以来、健吾から 毎夜LINEが届く。
他愛のないやり取りが、絵里加の楽しみになっていく。
翌日が同じ講義の時は 乗る電車を決めて 一緒に通学する。
渋谷駅から30分足らずの時間。
駅から学校までは、並んで歩く。
いつの間にか背が伸びた健吾を、見上げて話すことも新鮮で。
そして教室に着くと 何でもないように それぞれの友達のもとへ行く二人。