メヌエット ～絵里加

健吾の妹の恭子ちゃんは、４年前に樹君と結婚した。

健吾と絵里加のことで　両方の家族が会ううちに　いつの間にか樹君は　恭子ちゃんと仲良くなっていた。


二人の間にも　男の子が二人産まれ　賑やかになっていた。
　


お祖父様は　絵里加が結婚した年に　お祖母様は　淳子が産まれた年に亡くなって　松濤の家が寂しくなったときの結婚だった。


おかげで、みんなが明るい気持ちを取り戻すことができた。
　

樹君達は　松濤の家を改築し　伯父様達と一緒に暮らしている。

健吾達のように　近くに家を探そうとする伯父様を　恭子ちゃんが止めて　一緒に暮らすことになった。


伯父様も伯母様も　そんな恭子ちゃんの気使いをとても喜んで　二人が生活しやすいように家を建替えていた。　
　


翔君は外科医になり　大学病院に勤務している。今も独身で　病院近くのマンションで一人暮らしをしている。

勤務が不規則で　中々みんなに会えないけれど　会うと昔のままの楽しい従兄妹だった。
　

「俺は　手先が器用だから　今に神の手って言われるよ。」


とみんなを笑わせるけれど　医師と言う職業は　計り知れない苦労があるだろう。

伯父様の会社を継がずに　自分の夢を叶えた翔君。

泣き言一つ言わずに邁進している。　
　

絵里加の弟の壮馬は　伯父様の会社に就職して　樹君の片腕になっていた。

工学部出身の壮馬は　製品の開発や管理を任されて　廣澤工業の将来を背負っていく。


樹君の営業力と壮馬の開発力で　とてもバランスよく会社は伸びていた。
　

樹君と恭子ちゃんの結婚で　間宮家と廣澤家の結束は　より深いものになっていた。


伯父様達　絵里加の両親　健吾の両親と　３家族を交えてよく出かけた。

結子と淳子　そして樹君の子供達は　３組の祖父母を持つように　みんなに可愛がられている。